BBS DIARYLIBRARY 

ロリ〜タのひとりごと

2005/6/11 (Sat)  紙袋の男

paper bag man






ヒロシ!タマ用意しろ!


あ、はい。お父さん!いえ!社長っ!!


( ;´∀`)うぁ?タマ??実弾?


もしかして、アタシ騙されてる?
ヤクザグループのお手伝いしてるの?
1週間だけ通訳的なお手伝いするだけなんだけど?
アタシにヤクザのお仕事を手伝えってか?
1回間違えてピストルを人差し指と親指でつまんだことがある程度よ。
それがなんで実弾なのよ。><
ヤクザの抗争に巻き込まれるようなシロモノじゃないわ!


ここは黄昏のロンドン。

先ほど高級ホテルにチェックインしたばかりの怪しげな3人組の話です。





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2005/6/13 (Mon)  紙袋の男 (2)



社長は50代後半の油ギッシュ男。
彼の息子は父の命令で入社したばかりの大手企業をあっさり捨てた。
濃い顔の父を息子はそのままギラギラと受け継いでいる。
米俵2俵でここまで大成したという社長に比べ、 息子は無表情に黙して従っている。
米俵!で思わずこけたアタシでしたが、ここのところは先に進みましょう。

ホテルに到着した私達3人組は、先ずは社長のスィートルームへ。
ルイ・ビトンの箱型のスーツケース5箱が無造作に積んである。
社長はくたびれた茶色の紙袋を1つさげているのみ。

スィートルームは寝室、居間、浴室などがあり1人にはかなり広い。
さすがに大英帝国が誇る一級ホテル、豪華な内装が素晴らしい。
すぐに社長は寝室のベッドカバーからシーツなどをひっぱ返した。
本人いわく盗聴器が隠してあるかもしれないからだそうです・・・。
1週間の滞在中、メイドは立ち入り禁止。部屋の掃除なんてもってのほか。
毎日の換えタオルなどはメイドからドアの所でもらっている。
古いタオルは返さないので、チェックアウトには部屋中がタオルの山。
しかし!タオルが後に大変重要なものになる事をアタシには知る由もなかった。

ヒロシ!タマ!!

いかほど?

全部だ!○○○○○ユーロだ!

ありません。

そおか!コーヒー頼め!



ルームサービスがコーヒーを運んできた。
社長は額や首の油汗をタオルで拭きながら、

ロリさん、なんぼもっとる?


嫌な予感がしたので、いい加減に100ユーロと答えた。


全部だして?!後で返すけん。

シブシブだした100ユーロ。 社長はそのルームサービス君に全部あげてしまった。
そんな2万円近くのチップをもらったルームサービスの男。
チップ効果は偉大です。我侭な用事にもそのルームサービスが
ニコヤカ顔でやってくれるようになった。

翌日、社長はメイドやドアマンにも法外なチップを派手にばら撒いていた。
オイオイ!しっかり現金もってるではないか。><

部屋の外にはリネン部屋があり、そこにタオル、石鹸などが保管してある。
アタシと息子に見張りをさせて、社長自らドサッドサッと紙袋にいれていた。
帰国後、これら盗品はお土産として有意義に利用されることになる。
突然非常階段のドアが開いてメイドと鉢合わせになると、相手も相手で、
「んまーっ!お茶目な社長さん!オホホホ」とチップ効果で黙して立ち去る。
当然、部屋の中がリネン部屋になってしまった。
金持ちは偉いなー。とつくづく感心したものです。

明朝7時、社長のスゥイートルームに集合ということで、解散。
夕食することもなく息子とアタシはそれぞれの部屋に移動。
機内でもらったオツマミ2袋が晩飯か・・もらっておいて良かった。

ロリさん。おやすみなさい。と息子が挨拶した。

あらまっ!隣が息子の部屋ではないか!
アタシの部屋とはドア1つで仕切られているのみ。
とりあえずドアには鍵がかかっているが、忍び込まれてレイプされるかも。
相手は180cmの大男で、油ギトギトだし。
イスやスーツケースでバリケードを組み完全防備をするアタシ。
バリケード造りでドッと疲れたので、小さいシングルベッドにて爆睡。

深夜、空腹感がはげしくて目が覚めた。

コトッ。(微妙なドアの音!)
も、もしや・・・

(*´Д`*)ハァハァ





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2005/6/15 (Wed)  紙袋の男 (3)



レイプ!きたっー!


こおいう場合、女は涎を流して寝てる姿を男に見せるわけにはいかない。
今更、ジタバタしても始まらない。身繕いをして男を待とうではないか!
パンツは・・色気のないGAPのトランクス。シ、シマッタ・・・
レースフリフリの可愛いビクトリアシークレットもってくれば良かった・・チッ。

おもむろに仕切りのドアのバリケードを確認してみる。あれ??
ドアのコキッって音は、入り口のドアのほうらしい・・・ナ〜ンタ゛。
ドアを少し開けてみる。
深い絨毯の廊下の向こうに1人の男がうつむいて足早に歩いていく。
こんな夜中に何処へいくのだろう・・後をつけてみよう。
アタシはパジャマの上にコートを羽織った。
後ろ姿も父親とそっくりの息子はかなりの0脚。
ロビーに向かっているようだ。
ピタッ!おっ!止まった!
息子は公衆電話で電話をかけている様子。
小声で聞き取りにくいが、日本語のようだ。フムフム。
何故に自分の部屋でかけないのだ?変だな・・ウム。

ん?
振り向いた息子と偶然眼があってしまった!アリャー!



ロリさん。お腹が空いて眠れないんですか?

あ、はい。空腹で何か買おうと思って見にきたんですけど。

あなたもですか?偶然ですねっ!!

お店は閉まってますけどっ!( ;´∀`)あは!

父はワンマン男なのでロリさんにはご迷惑をおかけします。

実は、貴女で3人目なんですよ。

え?3人目って?通訳がですか?

ええ。他の人たちは逃げたんですよ。

あんな我侭な父ですから当然です。

明日は父がパスポートを預かると言うと思います。

適当に流してください。

前の人達は父を置き去りにして日本へ逃げ帰りまして・・。

それと現金ですがそれも渡さないほうがいいですよ。

また逃げられるという意識が父にありますんで。

最後まで我慢してくだされば僕は助かるのですが・・。

そうですか。苦労なさっているんですね・・

いや、僕はまだ我慢できるんです。親ですから。

通訳の方に不快感を与えてしまう父ですからね。

これは僕も腹がたつんですが、

まだ修行の身ですから父に意見を言えない立場なんです。



肩をおとした息子の眼をみると何気にウルウルしている。
良くみるとイケメンで人柄も悪くなさそう。


ところでさっき公衆電話していらっしゃいましたが。
部屋の電話はつかえなかった?


あ、そうだ!それも言っておきたかった。

父はホテルの明細書を逐一確認する男でして、

国際電話をすると烈火の如く怒るんですよ。

ですからロリさんも部屋からは電話しないでください。

緊急の場合は僕が公衆電話の使い方をお教えします。

また、夕食の時は酒をを勧められても飲まないほうが良いです。

うむ・・・り、りょうかいしました。



ちなみに、失礼ですが誰に電話してたの?東京?

ええ。彼女に・・です。


真新しいコーチの財布の彼女の写真を見せてくれました。

ほぉー。美人ですね!

それほどでもないです。
学生時代から付き合ってる女性です。


帰国したら結婚するつもりです。

うんうん。素敵ね!^^

(そなのよ・・イケメンには美女付ってのが常識なの)



さてと・・お腹すいたので寝ましょうか?

そ・・ですね・・
眠ればひもじさも忘れますし・・


おやすみなさい。





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2005/6/17 (Fri)  紙袋の男 (4)




やっと待ちに待ったがきました。
6時50分。隣の部屋の息子氏がドアをノックしています。
2人で社長の部屋へ出勤です。

おはようございまっす!
ロリさん。元気な挨拶じゃな。
はい。おはようさん。
ヒロシ!コーヒー頼め!


はぁ?
元気ってか?これはカラ元気なのよ?
こちらは全身空腹人間なんだよ!
あら?あれれ?
ここにはバナナや林檎があるではないかっ!さすがにスウィートだな・・・
アタシの部屋なんて小さくて暗いし。何にもないわよ・・・

ああ。。もうドキドキだわ。朝は薄切りのトーストと目玉焼きとベーコン。
ロンドンといえばスモークト・サーモンの薄くスライスしたのが名物です。
サーモンにはレモン汁と黒ペッパーをたっぷりかけて、
あ、クリームチーズもあるといいな。サンドイッチなんて最高だと思うわ。
いや、しかし、ここはロンドンなので英国風にフォークとナイフでいただきましょう。
薄切りの食パンにジャムをたっぷり塗って全部いただきましょう!
アタシの頭のなかは朝飯!のみ。
アタシと同じことを考えているんではないかえ?
ソファに座ったヒロシは相変わらずポーカーフェイスで黙っている。

キタっ!!


ルームサービスがワゴンをカタコトといわせながら運んできました。
淹れたてのコーヒーの香りが部屋中に漂って、あぁなんて素敵なんでしょ。
白い糊のきいたテーブルクロスのワゴンには色々と食料が並んでいる?

えっ??なんでっ?!

うっそーーーー!

珈琲一式だけっ?


ロリさん。人間は空腹が1番なんじゃ。 満腹になると思考力が減退するけんな。 その点、コーシーはええっ!ホレッ飲みんしゃい!

エー!空腹に珈琲なんて下痢する! 胃も痛くなるし。そんな過激なことはアタシには無理!

なんて思いながら、もう何でも胃にはいるものなら有無をいえないアタシとヒロシ。
アミノ酸補給とおもい珈琲に異常な量の砂糖とクリームをいれてみる。

美味しい・・・


3人でジュルジュルと音をたてて珈琲を飲みました。

それからアタシたちは長々と社長の武勇伝を正座して聞き、
一睡もしとらんよ。という社長は元気そのもの。
話が尽きたのかタフガイはアタシ達にイザ出陣!の号令を発しました。

2人は出かける準備のためとりあえず自室へ競歩。タッタッタッ
部屋までの道中、2人とも無言。

長い廊下が延々と続いている感覚は空腹による妄想か。ハテ。

あちこちの部屋のドアの前には食後のワゴンが放置されている。
ヒロシがワゴンのそばで一瞬立ち止まった。
アタシもチラッとワゴンを見た。

あっ!!パンが残ってる!

それでも一度は通り過ごした2人。

また立ち止まったヒロシ。
振り返ったヒロシの眼が食う?とアタシに無言で語った。

ワゴンに引き返したアタシ達。2人は無言でパンを手づかみで食らいついた。次のワゴンにもパンが残ってる。それも掴んで食いながら走る。タッタッタ!!

うまーーーっいい!!!

ヒロシったら余裕でパンにバターを塗っているし・・





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2005/6/21 (Tue)  紙袋の男 (5)


ホテルの従業員達に盛大に見送られて アタシ達3人組は戦場へ向けて出発しました。

現金で人の面を切るなんて!サイテー!って感じだったけど、
イチイチ挨拶にくる従業員たちにニコヤカに見送られるって・・VIP気分カモ。
チップ効果って深いな・・・
有名人ってこんな気持ちなのかしら。

ホテルの前には予約した右上の写真に似たリムジンが待機しています。
このリムジンがヒースロー飛行場から最後の出発日までの交通手段となります。

向かい合ったソファの真ん中は足を伸ばして眠れる広さで、内装は豪華なサロン風です。
社長は普通に前向きに座り、ヒロシとアタシは後ろ向きに座りました。
つまり社長とアタシ達2人は真向かいに座っている状態です。イヤでも社長の赤ら顔を見なくてはいけません。
股を開いて座ることもままなりません。珍しくスカートのアタシですからっ!
後ろ向きに座る経験があまりないアタシはすぐに気分が悪くなりました。
いえ、社長の顔がといっては失礼なのでとても言えませんけど。
ジェットコースター、飛行機などの乗り物には弱くないアタシなのですが、
風景を逆にみながら車中でうつむいて書類を読んでいると嘔吐気分なのであります。
車の中には種々の洋酒と少しのピーナッツ類がミニバーにおいてあります。
社長は、「ロリさんや、まーイッパイ飲もうや!」
コキッとブランデーを開封しちゃいました。
(オイオイ。オエーしそうなのにそんなもの飲めるわけないだろうが!)

ブランデーはな、口臭を消す効果があるんじゃ!
人と会う時は口臭には気をつけんといかん!
ほれ!ロリさんも飲みんしゃい!


ヒロシは父の指示通り、ブランデーを一口。上むいてガラガラ、ゴクッ。
社長もガラガラガラ。ゴクッゴクッゴクッ。
みんな、大口あけてガラガラガラ。
そーれ!みんなで一緒に!ガラガラ音頭じゃー!

あぁ〜っ!ブランデーの臭いが車中に充満しちゃったではないか!
酔いそ・・・・モウ・・タ゛ミタ゛ (´┐`)ォェーー 

リムジンが到着した場所は某大手日系の銀行。
いつもの紐が擦れ切れた紙袋(紙袋は3重にしているため、紐は各3本となる。擦り切れても3本の矢の如し、そう簡単には切れないのだ)をさげた社長に、スタッフは全員総立ちでご挨拶モード。
日本語が通じるので、ほれ!おっちゃんも!大声で愛嬌振り撒きながら挨拶しとるがな!自分のテリトリーと勘違いしていますね。(^^)v

スススッーッと銀行マンが寄ってきてアタシたちはVIP用の部屋へ案内されました。
すぐに社長は、
とりあえずコーシーちょうだいや!
あ。はい!ただいま!!タッタッタッ(コーヒー・・ぅぅ・・)

コーヒーを飲みながら、社長が大声で、
支店長をよびんしゃい!!
転げるようにして支店長がやってきた。
社長。いつもお世話になっております。いつロンドンへ?
昨日そんなこたぁ関係ないっ!
ある金を全部出しんしゃい。

で、いかほど?
ヒロシが小声でとりあえず○○○○○ほど。と支店長に伝えた。

ヒロシ!!お前に言うとらん!
お前はひっこんどけ!せがらしかっ!!


はい。社長。とポーカーフェイスのヒロシ。

ロリさん。銀行は酷いところよ・・・
雨の降る日は傘を貸さん。天気の日は傘を貸す。
それが銀行ちゅーもんよ・・・


そ・・そなんですか・・・

重そうに大束の現金をもってきた支店長。
おーーっ!ものすごい現金の束だ!!

ヒロシはクールな顔でまず一つ目の札束の帯をプッチンと切った。





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2005/6/25 (Sat)  紙袋の男 (6)


昼下がりのヒ常時です。

あたしゃ。こんな札束みたことないよ。
ヒロシなんて冷静な顔で数えているけど、手が震えないのだろうか・・
この男はただものじゃないな・・・

社長は札束を紙袋の中にいれホテルの小タオル2枚をフワッとかけた。

ロリさんや。こんな汚い紙袋に大金があるなんて誰も想像せんでっ?ブランドのカバンこそ狙われるで!ブランドはスカン!ぶっわっはっはっ!


<それから3人はリムジンに乗りました。行き先は、

カルティエ!

車からおりると、一目散に向かった先は時計の売り場。

寄ってくる売り子には目もくれず社長とヒロシはケースの前に立ち止まり、

ロリさん。この銀色の時計には何色のベルトがええとおもう?と聞いた。

ま、無難なところで黒でしょうか・・と答えると、
(アタシは、なんて地味な時計なんだろう・と感じました。)

社長は、そうやろ!私と同じセンスじゃな!黒ベルトの分でお願いします!
と売り子に指示した。(左↓の時計)

その時、アタシはカルチェのキンキラ金の時計(右↑の時計)をつけていました。
(特別の時だけで、普段はスワッチ愛好家です。)
アタシのような守銭奴にしては珍しく高価なものです。
清水寺からヽ(`Д´)ノエイヤッ!って飛び降りましたから!
ピアスやブローチなどのアクセサリーなどを身につけない主義でして、
黒のスーツには時計の金色でアクセント。というお洒落感覚だったのです。
ちなみに黒スーツは便利です。
1着あれば冠婚葬祭、旅行用などと幅広く使えるのでお勧めします。

2人の男たちは普通のジャンパー姿です。
でも、良くみると、実はカシミア素材の某高級店のオーダーメイドでした。
靴もピカピカの某高級ブランド製。

私ら親子は頭がはげておるけんな。
これくらいはせんとな!
(隠れたお洒落だな・・2人ともやるじゃん。フッ)

車中で社長はアタシにカルチェの赤い箱を差し出しました。

ロリさん!そのキンキラ金の時計をはずせ!
この時計につけかえて欲しい!

ぇ?アタシの時計が何故だめなの?
20万円の時計よりもっと高いんだよ!!

キンキラ金はイカンバイ!やめんしゃい!
金はババアになってからつけるもんじゃ。
今は、これくらい地味なのがええんじゃ!

見ると、ヒロシも同じ時計をつけている・・・
社長は?何?
シンプルなパテックのスケルトンではないか!( ▽ ;)

ま、ここのところは折角くれるっていうのでいただきました。
良くみると可愛い時計だし何気にクール。
アタシなんて社長の希望通りサッサと付け替えました。。
これでカルチェが2個になった! (ワーイ!)


そして車は次の目的地へ。

エルメス!!
はぁ?何がブランド嫌いじゃ?
ブランド大好き!ではないか・・





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2005/6/27 (Mon)  紙袋の男 (7)


そういえば・・お昼ご飯、食べていない・・
ま、いっか・・15万円相当のカルティエの時計・・もらったし・・

エルメスでは、社長は1番大きいサイズの頑丈な木製のスーツケースを買った。
ホテルに帰った3人組は、社長の部屋でコーヒーで休憩。
英国といえば、銀製の3段重ねのトレーにクッキー、ケーキ、スコーン(パン)のセットがあるでしょーぅが!
こんなセレブな朝食を食べたいです。

自室で仮眠をとりたいのに・・またまた社長の講釈を正座して聞く。
エルメスのスーツケースは高価じゃろ?飛行場で丁寧に扱ってくれるんよ。荷物のブツも顔パスでオ〜ケ〜なんよ。ククク
なるほど・・

沢山の伝言の中に、先ほどの銀行から夕食のご招待の伝言を発見。
今夜は中国料理か・・フカヒレスープ・・
やっと春雨とフカヒレの違いが体験できる・・・(゜-、゜)シ゛ュル

お出かけの時間です。
うっしゃっ!食うぞっー!

車を降りると、そこは高級中国料理店。
両サイドが腰のところまでスリットのはいったチャイナドレスを着た美女たちが微笑みながら個室へ案内してくれました。女性たちはなかなかの美人揃いで、歩くたびにセクシーな白い大腿部がチラチラ見えちゃって、
これって足どころか秘境まで見えそうなくらいのスリットじゃない?
社長はニヤニヤしながら、アンタ、それ寒うないん?と愛嬌のある手振りで聞いている。
あのクールなヒロシはといえば・・・?

はい。彼の眼もシッカリ輝いていました。男ってお馬鹿だわ。(*´σー`)

支払は私がしますけんっ。
遠慮せんと飲んで!食べてつかーさい!

紹興酒も1番高いものらしい。先ずは乾杯。
社長は、高いワインを店主に濾紙を使って濾過までさせた。
客人の前で濾過をする薀蓄を述べている社長はお殿様。萌え〜。

各種の前菜皿から銘々の取り皿にボーイさんが取り分けてくれる。
お酒のサービスはさきほどの美女達。
もう食べていいのかな・・とヒロシを見ると、全然食べてないではないか!
社長はグイグイ酒だけを飲み続けている。
客人たちは美味しいですね、といいながらドンドン飲んで食べているのに、
これは現実なんだ!食べよう!ヒロシ!!
紹興酒も、ワインもアタシのグラスから減っていない。
前菜も手付かずでアタシのお皿に綺麗に並んでいる。
ああ・・・アワビ・・上手そうだな・・

きったー!フカヒレのスープだ!
ロリさん。このスープを食べてみんしゃい。
きたっ!きたよー!社長のお許しがでたーーー!
おっ!ヒロシは・・スープ用のレンゲ(スプーン)に手を伸ばした。ア・アタシも食べる!

うわっ!姿のままだ。フカヒレって形があるんだ?お箸でフカヒレの大きい塊をさばきながらウドンみたいにジュルジュルと音をだして食べた!うっむむむ。
うまーーーーいいッ!!

(チッ・・五臓六腑に染み渡るセ゛ フッ)






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2005/7/1 (Fri)  紙袋の男 (8)


夜の宴最高潮です。

ふかひれの姿煮スープの後は・・・
筆舌に尽くしがたい逸品料理が次ぎから次ぎへと酒席に並びました。

空腹の限界に達していたヒロシとアタシは、上海蟹あたりからはお箸を止めて手箸で鷲掴み状態になり・・蟹に絡んだ甘いタレを舐めまわし、バリバリと蟹を噛み砕いて賞味させていただきました。
これぞ至福の時です。

で、社長は?

社長の顔はゆでだこ状態・・額にはギトギト油汗、濃い眉毛は釣りあがり、
眼は物凄い形相で客人を睨みつけているようです。(どしちゃったの?)
そして会話にならない言語で何やら執拗に客人達に愚だを巻いているようです。
(これって、酒乱じゃないの?ま、いっけど。)


ヒロシを見ると、社長の異変に気づいたのか食べるのをやめてしまった。
ん?アタシもやめたほうが良い?
でも美味しいし・・デザートの杏仁豆腐も食べなきゃ・・・

ガッチャーーン!!

テーブルを叩く音で杏仁豆腐をウプッ!とこぼしてしまった。見ると、
社長は支離滅裂な戯言を言いながらテーブルの上を拭き始めたではないか!

銀行さんは良いよなー。
ワシらとは違うけんな!
あんたら自分で金稼いでみろやっ!
稼ぐのは大変よ。わかるかっ!お前ら!!
(簡単にいえば、日頃の銀行への不満らしい)

銀行さんたちも飲むのを止め、社長の文句を一応聞くフリをしている。
あまり銀行苛めが執拗なのでヒロシが、

社長・・ここのところは・・
そだっ!!飯がまずくなる!ヒロシ!言っちゃれっ!!

なにぃーっ!!貴様!何様のつもりじゃー! 
美味いものを食えるのは誰のお陰かっ!
結婚もワシは許してやったぞ!
ベッピンを嫁にするお前はなんぼのもんじゃ!

といってヒロシの胸ぐらを掴んだ。
ヒロシは顔色変えずに黙って下を向いている。
空気を読んだ客人たちはそそくさと帰り支度をはじめてしまった。



ヒロシ!お前が悪い!土下座しろっー!!
(オイオイ。悪いのはお前だ!社長だ!)
ヒロシは無言でフロアの上に膝まずき、
そして両手を大きく広げ、深々と額を床につけ土下座している。

社長!すみませんでした!
3分、ヒロシはそのままの状態。微動たりしない。5分経過。

アタシは急いで杏仁豆腐を全部食べきった。
社長は知らん顔をして残った酒を飲みながら拭き掃除を続けている。
この人は、つまり・・潔癖症の、アルちゅううう!です・・)

客人たちは引き潮のごとく消えてしまった。
ヒロシは客人たちが去るまで黙って土下座を続けていた。
3人は無言。そして社長が、

(`・ω・´)あいつら・・・
ビールを8本も飲みやがった。

(シッカリ数えてるんだね・・・)






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2005/7/4 (Mon)  紙袋の男 (9)


ロリータの回想。

社長と初めて出会ったのはある催し物の会場でした。

人混みから離れて庭のイスに座っていたら、
煙草を吸いに出てきた男性が照れ笑いしながら声をかけてきました。
それが社長でした。

良い天気ですな〜。あんたは何しとる人なん?

などと日常の会話をしたものです。
アタシの知り合いW氏と社長が旧知の関係だったので名刺交換ということになり、名刺を拝見して初めてこの人が・・あの噂の人と判明。
名前だけは知っていましたが、まさか声をかけられるとは・・・

社長はゆっくり煙草を吸ったあと、暇をみつけて遊びにいらっしゃい。といって会場に戻って行きました。

後日、W氏にこの事を話すと、そりゃ奇遇だったね!と笑っていました。
そして業界では濃い噂の人物であることなどを面白く説明してくれました。

どんなに誘われても彼の家に1人で遊びに行かないように。女癖の悪い人だからね。(笑)
でも、彼は凄い人のわりには偉ぶらないチャーミングな人だよ。
商売人としてはかなりの人で、眼力も凄いと思う。
借金の額なんて並じゃないよ。想像できないくらいあるはずだ。
僕はそういう彼が大好きだな!あははは!


そんなある日、噂の社長から電話がありました。

やあやあ、覚えてくれとる?
あのとき会ったハゲのおっちゃんじゃけど。わっははは。
今度、仕事で息子とロンドンへ行くんよ。
W氏に聞いたけど、あんた英語出来るらしいな。
通訳として私たち親子と一緒について来て欲しいんよ。
通訳代、旅費、ホテル代などの滞在費などは私が全部払うけん。


英語っといってもアタシのは本当に簡単な日常会話しかできません。
アメリカ語で大英帝国英語はわかりません・・それにプロの通訳ではないです。


米語でも英語でもなんでもええけん。気持ちが通じりゃそれでええんよ。

ま、こんな経緯でロンドンへの旅ということになったわけです。
場所は日本ではなく、海外です。
最終的には日本人同士が助けあわなくてはならなくなる。
どんな人物か一度この眼で確認してみようではないか!
なんて軽い気持ちで彼のオファーを受けた次第です。


さて、2日目のロンドンは深い夜を迎えていました。
明日からイヨイヨ仕事が始まります。





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2005/7/12 (Tue)  紙袋の男 (10)


ロンドン3日目

連日の社長のハイテンションで疲れたなどと言ってはいられません。

朝食はもちろん昼食も抜きなので、
ホテルの売店でパン、ポテトチップ、バナナ、ペットボトルの水などを買い込みました。
これで廊下でヒロシとパン食い競争をしなくてもよいです。
ヒロシの分も買い込んで準備OK。
食後、社長の部屋で飲む朝のコーヒーも余裕の君です。

本日はアポを数件済ませる予定です。
借金数十億の社長は車のなかでも深刻な面持ち。何を考えているんだろう?
社長の彫の深い横顔が何気に意味深げです。

出向いた先ではどこでも先方の社長が両腕を広く開いて抱きついてきました。
社長は日本語で、いやらしいなー。と照れ笑いをしている。
業界ではかなり悪名高い人なのに、外人の前では作り笑いですか・・。
日本人の悪いところだな・・痛い。

な〜んて、社長を甘くみていたようです。

ここのところを通訳してくれる?
と社長がいうのでより丁寧な口調で通訳をしました。

例えば・・
あんた女好きやろ?
セックスやりまくりか?
で、現金なんぼもっとん?


あなたはとてもイケメンですね。
女性にはモテモテで良いですな。
財力もかなりのものと評判ですぞ。
羨ましい限りです。(^^)ニコッ


相手は嬉しそうに社交辞令的な答えをだします。
ところが、

ちがーーうっ!!
嘘をつくなっ!
そのままを通訳しろっ!

えーーー!!そのまま訳しました!!

ちがーうっ!!!
お世辞を言っただろ!!!

媚った言い回しはスカンけん!

アタシにはそんな下品な言い方はできません!
そんなことを言うと折角の商談が台無しになりますよっ!

ええけんっ!
それでええんよ・・クックックッ

ま、こんな感じの会話が延々と続くのです。
英語で下品な言い方ってどうすれば良いのでしょう。
アタシにはわかりません。
それに此処は大英帝国です。相手は完璧な英語を話す人々なのです。
先方も感じたのか、気の毒に思ってくれまして・・・
貴女も大変ですな。こんな人の通訳をなさって・・・
と言うではないですか!
アタシは逆に腹が立ってきて、
ざけんなっ!やったろうではないかい!
ということになり、後先もなくそのまま訳しました。はい。(^^)v

一瞬、先方は顔面蒼白となりましたが、暫くすると皆さん大笑い。

社長の愛嬌あるアホキャラで相手を手中に得る方法を初めて知りました。

ロリさんや。人ちゅうもんはな、
アホォになりきらんとダメなんよ。
わかりますかな?わははは。



紙袋の現金の束は静かに出番を待っていました。






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2005/7/15 (Fri)  紙袋の男 (11)


現金が舞う豪華な料理の中で、豪快に笑ったと思えば渋い顔になる泥酔社長。
今夜もグダグダと説教が始まっています。

悲しいかな、彼の支離滅裂な言動で引いてしまうお客さんが多発していました。
折角の素晴らしい料理を楽しい雰囲気で賞味するなんてとんでもないです。
白け鳥が飛んでいました。
いつも通りすべてヒロシが悪い!!
宴は、気の毒なヒロシの土下座でお開きです。

さて、ロンドンの旅も終わりに近づいていました。

商談は社長のペースで行われ、それは紙袋の5000万円程度で商談をまとめるようなチッチャイ商談ではなかったのです。

そうです。紙袋の現金は男のポーズだったのです。

商用の内容をここに記述できないことが筆者はとても歯がゆいです。
いつの日か、詳細を書ける日がきますように筆者は祈っています。

アタシの通訳内容を常に非難し、訂正を求める社長の執拗さは続いていました。
わかってるんなら、自分でやれよっ!と何度も感じたものです。
ただ、腹の立つ反面、社長の眼力の素晴らしさと、なぜ業界で注目されているのか理解できたように思います。

商談の間、ヒロシが「お父さん。それはやめてください!」
と口を挟んだ息子にウルサイ!と頭ごなしに拒否し続けた社長の形相は大変な迫力でした。まるで映画のシーンのようで、こんなことが現実にあるのか!
と天然のアタシでさえ唖然でした。


車でホテルへ帰る途中、歩くよ・・・
という社長の背中を見ながら私達も歩きました。

社長は橋の欄干で立ち止まり、煙草に火をつけて美味しそうに一服。
フーと紫煙を吹かしながらビッグベン塔を見つめている社長の顔は黄昏のロンドンに似合っています。、
アタシは、彼の荒々しい所業の反面、繊細で明晰な人物であることに気づきました。
40数億の借金を一晩で作った男は、物憂さでロンドンへ旅をしていたのです。
あらためて凄い人だな。。と感じ入りました。

千鳥足の社長を支えながら私達はホテルに帰りました。

珍しく社長が部屋で一緒に酒を飲もうをいうので3人はスウィートルームへ。
社長は、ウィスキーをトクトクとグラスに注いで、グッグーと一気飲みです。

ヒロシも飲め。ええけん。飲め!

ヒロシはうつむいてチビリチビリと飲みはじめました。

なぁ、ヒロシ。
お父さんはこれくらいの借金では負けんよ。
見とれよ。お父さんはやるけん。
ゼロから始めた俺の人生じゃけん。
好きなようにさせてくれ。
お前には苦労させるが、決して迷惑をかけん・・


お父さんは、淋しいよ。ヒロシ・・

といいながら、大粒の涙をハラハラと流しています。(鬼の眼に涙・・・・ウム)

ヒロシも、オイオイと声をだして泣きはじめました。

波乱万丈な人生劇場。渡世の世界だな・・

人間って、秘めた弱さを隠したいものかもしれません。
秘めたものがちょっとほころぶと、ほころびはボロボロと破れていきます。
張り詰めた神経を続けることは不可能です。
でもそのほころびを見てしまったら、逆に人情という感情が生じます。
新しい人間関係が生まれることも有りということかもしれません。





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2005/7/16 (Sat)  紙袋の男 (12)


<ヒロシ伝>


不覚にも、連れ泣きしてしまったぜ。
こうみえても、オレはいつもクールなんだ。
オヤジのウソ泣きに乗ったオレもかなりの役者だな。フッ。

しかし、あのシーバスリーガル、美味かったな・・

オレは、今は、オヤジの言うことは何でも聞くつもりだ。
ロリさんはオレが土下座している時も知らん顔して食いまくってたな。。
アンタの頭にヒロシは土下座男とインプットされちまったのかも。
いいさ、土下座なんて何回でもしてやるさ!
俺の美意識が泣くけど、平気さ・・

結婚式なんて小さい教会でやるつもりだったのに、
あのオヤジは都内の大手ホテルでやりたいそうだ。
金がかかるのにエライ迷惑な話だ。
招待客も半端じゃないぞ。
ここの外人たちまで飛行機をチャーターして皆さんを招待しますけん!

や、やめてくれー!オヤジ!

費用はケチなオヤジが払う!と言ってたけど、
オレたちの人生の門出がオヤジ色に染まってしまう・・・
御祝儀もオヤジに全部もっていかれることは眼に見えている。

確かにオヤジは好き勝手放題の人生だな・・
愛人もいるし、2人の間には息子までいる。
いや、義弟は可愛い。奴についてはオレが大学までだしてやるつもりだ。

それにしても愛人がまた変わっているぞ!オフクロ知っているのか!?
オヤジは糖尿だから性行為は無理のはずだ。
オフクロはこんなオヤジにいつまで耐えるつもりなんだろう。
女の意地なのだろうか、絶対に離婚をしないつもりらしい。
踏んだり蹴ったりの人生にここまで耐えているオフクロって。
最終的には、長男のオレが面倒みなきゃな・・

あんな啖呵を切ったオヤジだが、どうやって金を作るつもりなんだろう。
もし払えない場合、オレか?長男のオレが払うことになるわけ?
好き放題やってきて、借金をオレに残すってか?
そんなバカな話ありかよっ!
彼女になんて説明すればいいんだよーー!


それはそうと、ロリさんって英語わかってんの?
オレの英語能力からみても、どうも通じていないように思える・・
笑って誤魔化していないか?笑えば事が成り立つとでも思ってない?
ロリ!笑うなっ!!とオヤジに何度怒鳴られても、笑顔でスルーしている。
マジで困るんですけど。オレ。
オレの今後の人生がかかっているんですけど。
ロリさん。しっかり通訳してくださいよー。

ロリさんは、性格は良さげで信用も出来る女性に見える。
彼女が同行してくれて俺は助かったことは認める。
今回の旅行で全てが解決するわけではないんだが、
どうもオヤジは気に入っているようだ・・・
となると・・・次も通訳をお願いすることにならないか?
これまでの逃げた通訳さんたち(すべて女性)とはどこかが違う。

まだ、逃げてねーーーーっ!!!






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2005/7/20 (Wed)  紙袋の男 (13)


そんなこといっても無理なのよ。ヒロシ。

そもそもアタシに通訳を依頼することから間違っているゎ。

英文科卒でもないアタシに誰が考えてもそんな通訳なんてできるわけがないでしょ?
それに東京から緊急電話がきて、危険なことをするな!と助言されたくらいなのよ。
世間さまは、同じホテルに泊まっていること自体が危険だと言ってるくらいなの!

ですから、ここのところはGive&Takeでいこうよ。

ま、アタシとしては、
外国への無銭旅行ができてお給金も頂けるというので一緒に旅したわけょ。

社長の文句なんて、アタシは馬耳東風だわ。
ダメな通訳で商談がどうなるってことはないわさ。
心配するこたぁないよ。ヒロシ。
チンマイことを考えていると頭の毛がお父さんと同じになるよ!
ていうか・・遺伝だからね。仕方ないか。
テカテカ脂ギッシュも遺伝だし・・・・
それに親父の跡継ぎなんて考えること自体が甘いんだよ。

あんな商売男は一代で、お・わ・り♪

あーたは、性格が優しすぎるね。きっと良夫になるとおもうよ。
お父さんみたいな生き様は出来ないとおもう。
でもさ。遺伝って怖いよね。
浪速恋しぐれタイプの親父の根性がヒロシに潜んでいるかもしれない。

金のためなら〜女房も泣かす〜〜
それがどうした、文句があるっか〜
なんや、そのしんきくさい顔は、
金や!金や!
金稼いでこい〜〜!


な〜んてね。なにげに貴方の将来が楽しみだゎ♪





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2005/7/21 (Thu)  紙袋の男 (14) 完



大英美術館やデパートなどを一度も訪れることもなく慌しい1週間が終わりました。

会議で初めてあの夢の3段重ねの英国風ティーセットを経験できたので満足です。サンドイッチ、ケーキ、決してウマイ!とはいえないスコーンというビスケット。
それらが3段に並んでいるものです。
ところで英国の超薄切りの食パンですが、アタシは好きです。トーストをしない食パンにバターをたっぷりつけて食べる。病み付きになります。パクッとかじりつかないで4つに切って上品に食べるご婦人をみて真似をしてみました。
1930年頃のアガサ・クリスティーの小説・オリエントエクスプレス。
あの中の婦人たちのように目の前で静かに紅茶を味わっています。

かたや、ダウンタウンにいけば、イサドラ・ダンカン現代版の若者たちがたむろしていて、すべての英国人は英語(british/oxford/other)を喋っていて、その発音は米語のアタシにとってはハイクラスに聞こえます。
気に入った言葉の1つに、米語で、オッケー(OK)が、英語ではオッカーーと聞こえます。余分のことをいわないで、ただオッカー!と言ってみよう!これであなたも英国人。ムフ。


最後の日。真夜中の一室は熱気でムンムンです。

親父さんの叱責と号令の元、ヒロシとアタシは荷物作りをしました。部屋の中は足の踏み場もないほどのタオル、シーツ、タオル製のガウンの山です。タオル類で貴重な品物を包みこみ、ルイ・ビトンのスーツケースに積めていきます。
そうです。タオルは梱包材として重要な必需品なのです。
社長はアタシにもアタシの部屋のタオルとガウンを持って帰れ!というものですから・・・そうさせて頂きました。厚地なのでお徳感のある逸品です。
社長の部屋に放置された複数のティーセット類なんですけど、これも品の良いウェッジウッド製だったので1セットいただきました。あ、それと銀製のお湯用のポット、それと・・銀製の氷をいれるポットみたいなもの、洗面室にある石鹸とか爪切りなどなどすべてをタオルで包んで梱包完了。完璧です。

それはそうと・・・
暫くして、ホテルからタオルとガウンの請求書が送られてきたそうです。
社長は、そんなもんシラン!でスルーしたそうです。
これで社長は同じホテルに泊まれないでしょう。(^^)v
いや、案外と平気な顔をして泊まるかもね。あの社長ですもの・・。


ヒースロー空港のファーストクラスのラウンジでは、ヒロシとアタシはズラリと並んだ料理をすべて賞味しました。機内のお料理もすべて平らげ、ワインも遠慮なくいただきました。アタシは下戸なのですが、こういう場合は別物ですね。

ワイン瓶を開封しないでねっ。とスッチーにお願いしてボルドー赤ワインをお持ち帰りです。完全に酔ってスッチーにニヤけた顔でチョッカイしている社長は放置です。

飛行機を降りればアタシの天下なんだよっ!ザマーーミロー!

飛行機が到着すると、最後尾席の我々は客席の座席においてあるお土産品も全部いただきました。気取った乗客はオバカちゃん。アタシの親類縁者や友人達へのお土産がすべてオッカーです。

激怒(殆ど激怒)あり、涙あり、笑いありの滑稽な旅は終了致しました。

紙袋の男は、今日も健在です。
その後の彼らについてはいつの日かまた。


<完>






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