BBS DIARYLIBRARY 

ロリ〜タのひとりごと

2008/11/28 (Fri)  続々・家なき子 42

click!

click!

worked by Charles Rohlf
introduction


郵便局にでかけると、いつも親切にしてくれる窓口の黒人のオバサンが、

今年は不景気だからね、小さめのターキーを焼いたわ。あんたは?

完璧に忘れていました。明日27日は感謝祭です。当地の人々にとっては新年のようなものです。感謝祭が終わると当地のデパートや店ではバーゲンSALEが一斉に始まります。デパートの婦人服売り場の床にブラジャー、パンツ、セーターが棚から落ち、買い手達が靴で踏んづけても店の人は軽く見過ごす。庶民のいつもの風景です。


さて、新しいスレが始まりました。前回の日記をライブラリーにリンクすると、新たな気持ちになれるのですが、そこが、あなた、アタシですからね。ダラッーとした気持でいると、ホラホラ時間が経っているではありませんか。日記には11月28日とありますが、今日はすでに30日です。日付は正直なもので、ごまかしが聞きません。まるで下絵の1線と似ていて、線が狂うと全体が狂い、やり直し作業で無駄に時間を費やすことになります。

2日前から、午前中は、アトリエの自然光の中で仕事をしています。

無我夢中で描いていると、背後に人の気配。振り向くと船木さん。

頭がでかすぎる。フッ

わかってるわよ。( -з) フン 

やりなおし。

1時間後、また船木さんがドアの横を通り過ぎながら、

足が短すぎる。プッ

コエエェェ(´д`)ェェエエ工

やりなおし。


下絵を何度も描き直し、船木さんにやっとOKをもらいました。




2008/11/30(Sun)  続々・家なき子 43

channel


dig dig lorita12345

高嶺の花

大阪のM氏のメールには、フェアで売れた絵は、マダムKが買ってくれたと書いてありました。マダムKは、最近でこそ当家にに来てくださるようになりましたが、長い間、アタシ達は遠くから彼女を見つめ、楚々と通り過ぎていく彼女の芳しいオーラを感じながら呆然と見送るのが常でした。

アップタウンのミセス・ジグラーのタウンハウスのパーティで、淡いピンクのシルク布仕立てのスーツを上品に身にまとったマダムK。シャンペングラスを手に、英語とフランス語を使い分けながら客人達とにこやかに会話をする姿は、まるでローランサンの絵のように輝いていました。

ミセス・ジグラーから紹介されたアタシは緊張しながら、

あの・・・
お時間がおありでしたら、ダウンタウンにいらっしゃいません?
ア、アタシ・・・肉ジャガ、得意なんです。(シ・・・シマッタ・・・)

ありがとうございます。^^
肉ジャガ、おいしゅうございますよね。
母が時々作ってくれますの。クス






2008/12/2 (Tue)  続々・家なき子 44

downtown

photo by lorita12345 canon



肉じゃがツアー。失敗しましたゎ。(´0ノ`*)オーホッホ!!

というより、短いNY滞在でわざわざダウンタウンまでいらっしゃる筈がありません。
SOHOでショッピングするくらいなら、アップタウンのマジソンアヴェニューで十分用が足せます。滅多にないことですが、メトロポリタン美術館に行くことがあり、77丁目駅で地下鉄を降りると、必ず歩かなくてはならないのが、マジソンアベニュー。
歩いている人々はお洒落で高級感が漂っています。

帰路、地下鉄を降りて階段を駆け上がり、右手のスタバに人々が屯しているのを見てホッとします。道路のコンクリートにはチューインガムの跡が残り、紙コップ、ペットボトル、空缶、犬のウンコなどのゴミが転がっています。風で飛んできた新聞紙が靴に絡んでも気にしません。パンクあり、ヒッピーあり、ホームレスあり、そんな雑草のような人種やアーチスト達が雑然と住む下町に慣れてしまいました。

こんなアタシですが、以前はアップタウンでOLをしていたことがあります。あの頃は化粧をし、髪をムースでコチコチに固め、コンサバのスーツを着て、5cmのヒールのパンプスを履き、カツカツと音を立てて歩いていました。フロントの受付嬢達の観察を意識し、入り口のガラスに映る姿を入念にチェックして、「ごきげんよう」 デスクの引き出しには手鏡を常備し、2時間毎にトイレで化粧を直していたものです。自意識過剰のアタシのはずが、今はジャージーが普段着で、化粧なんて干からびています。

船木さんの知人で、表参道で画廊を営む女画廊主と、アタシの上司の奥さんとが級友で、2人でアップタウンから車でダウンタウンに遊びにいらしたことがあります。

車を降りたハイソなお2人はブルブルと震えていらっしゃる。

怖い・・・





2008/12/3 (Wed)  続々・家なき子 45

a student at Cooper Union

photo by lorita12345 canon

-1℃


近所の個人口座用のCITIBANKに給料を振り込み、電車でミッドタウンの会社用の東京三菱UFJへ税金の支払いとキャッシュの引き出しにでかけました。毎月始めに、キャッシュ・1000ドルをひきだすのですが、700ドルはアタシが保管し、船木さんには交通費などの経費300ドルを渡します。失くさないでね、と言うと、「ありがとう」

仕事用のメールに返信しましたんでと言うと、「ありがとう」
会計士・JOHNへの書類は作成しましたんで、「ありがとう」
先方に支払いを済ませましたんで、「ありがとう」
キムチの新しいのを買っておきましたんで。「ありがとう」
大好きなゴーフルの煎餅を買っておきましたんで。「ありがとう」
ミルクとパンを買っておきましたんで、「ありがとう」

就寝前、PCの前で焼酎を飲みながら
"そこまでいっても委員会"をホーと真剣に観ている船木さん。
「ボク、今日は疲れたので寝ます」
洗濯中なので、干してから寝ますというと、「ありがとう」

最近、船木さんの、「ありがとう」が増えた感じがします。




2008/12/4 (Thu)  続々・家なき子 46

Jetsream

photo by lorita12345 canon

Jetstream 0.7mm

夜8時から朝7時まで11時間も眠りました。
100年物の窓ガラスが加湿器の水蒸気で曇っています。
本日も快晴。

夕食の一品、大根、ごぼう、豚肉、にんじんの根野菜の煮物を深めの伊万里鉢に盛り付けました。食後、アタシにしては珍しいことに、伊万里をうっかり手から落とし粉々に壊してしまいました。洗い専門の船木さんと一瞬目が合い、すかさず、船木さんが言いました。

形あるものはいつかは壊れるものさ

半ベソかきながらお風呂にはいり、そのままグッスリ眠りました。爽快です。
今朝は1番にピッツバーグからトラックで荷物を運んでくれるそうなので待機。
それまでデスクで仕事をしましょう。

写真のJetstreamのボールペンは岡山の税務署にでかけた際にいつのまにかバッグに入っていたものです。書き心地が良かったので再度税務署に行きました。2本目もゲット。ところが、この1本目のインクが出なくなりました。当地の文房具屋で限りなく近いものを買いましたが、どうも書き心地が違うんです。同じ0.7でも違うんですね。
ちょっぴり哀しい。。。




2008/12/7 (Sun)  続々・家なき子 47

AD Truck

photo by lorita12345 canon

decorators

クリスマスが近づくと、ショーウィンドウが華やかになり、デコレーター達は忙しく働いています。16丁目のアンソロポロジーというロリータファッションの店の窓はファッションインスティチュート(FIT)の学生達がバイトで飾り付けをします。大学の単位取得の一端であり、未来のクレジットにもなるそうです。才能君達が膝の抜けたデニムにファンキーなシャツから臍をだして跳ねる動作をみていると、品物より心が躍ります。

ニューヨークの店をプロとしてディスプレイを続けている女友達も、ヨレヨレのデニム姿で、バイトの男の子を連れてあちこちの店を走り回っています。チョコレート店の飾りつけではAD賞を受賞し喜んでいました。彼女はティファニー店などのディスプレイで業界では名の知れた男性のアシスタントをしていたのですが、彼がエイズで亡くなり、彼女が会社を引き継ぎ現在に至っています。残念ながら彼ほどの才能の持ち主ではありませんが、ニューヨークで生きていくための無言の選択だったのです。




2008/12/9 (Tue)  続々・家なき子 48

east vill

photo by lorita12345 docomo foma

14 th

42丁目からローカル線が走らないとのこと。急行に乗りかえて14丁目で下車し、零下2℃の街を徒歩で帰宅しました。街はすっかりクリスマス商戦ですが、なにげに活気がありません。昨夜のオバマとニュースキャスターのトム・ブラッコリーとの会談を思い出しながら歩きました。

14丁目近くのコスチューム店のシャッターを上げようとしている男の後姿が素敵だったので撮影させてもらいました。いかにも古着屋で見つけたと思われる黒の皮ジャンと皮のパンツ。すべての縫い目が銀色のファスナーで縫製されていて、これぞパンクファッションの定番です。男が小声で「Wait・・・」と言いながら、吸っている煙草を壁にこすりつけて振り向きました。オオッ!かなりいけてる顔面です。ところがカメラを意識した男が仁王立ちのポーズをとるので、いえ、違う。そうじゃないのよ・・・
「自然に・・・。YES!それよ!COOL!!!」を連発すると、彼は嬉しそうでした。




2008/12/10 (Wed)  続々・家なき子 49

Mr.Staff

photo by lorita12345 canon

フロリダ発信

船木さんの知人でアート界で活躍するS氏がフロリダでの1週間の仕事を終えました。彼に随行している男女2人のスタッフはNYに2泊3日滞在し、NY体験をした後、東京に飛ぶそうです。宿泊先はNYに到着してから探すとのこと。そんなアホな。
お1人様300−500ドルもするんですけど?薄給の彼等に払えるわけないですよ。フロリダと話をした船木さんが、「すべてキミ次第だから、あとは任せる」

!!!!

とりあえずフロリダに電話をすると、彼等より先に帰国するS氏が、

ロリさ〜ん!お久しぶり。
僕はフロリダから東京に直接帰ります。
この度はスタッフ2人を泊めてくれるそうで。
ありがとう!お世話になります!


( ・`з・)うむ・・・

翌日、2人は常夏のフロリダから厳寒のNYにやってきました。





2008/12/11 (Thu)  続々・家なき子 50

Homemade

photo by lorita12345 canon

混ぜご飯

のどかな風景です。

先月大阪からいらしたM氏が洗濯物のぶら下がっているアトリエで絵を選んでくれました。ところがあの日は山ほど洗濯物を干していて、M氏はパンツやシーツをかき分けるようにして見てくれました。前出のフロリダからの客人男女ですが、男性にはアトリエで寝てもらい、女性はアタシの寝室に寝てもらうことにしました。2人ともベッドではなく、床の上で寝袋を想像していたそうです。男性は空気ベッドですが、ドライヤーで送風して膨らませます。そして完璧に膨らむと同時にドライヤーが壊れました。

さて、アトリエを占領されたので、洗濯物を干す場所を考えなくてはなりません。

んんん・・・と。
お!あるではないかー!

作業場の脚立がありました。脚立をあがってトップにタオルが干せます。階段にハンガーなどもかけられるので優れものです。特にこのエリアは寒いアトリエと違い、暖房が良く効いているので乾燥が早い。これまでアトリエに干していたアタシは何だったのでしょう。パンツもタオルも靴下もごちゃごちゃ混ぜご飯をご覧ください。




2008/12/13 (Sat)  続々・家なき子 51

SOHO

photo by lorita12345 SOHO

リュウ


弟の結婚式で1週間帰国したリュウですが、2週間経っても帰ってきません。
心配だったのでメールをすると直ぐに返信がありました。

まだ大阪にいます。2月の大阪での個展にむけて気合十分です!
明日、ニューヨークに向かいます。しかしですねぇ、ビザが取れてないんです。

帰国前に弁護士に追加1000ドルを払って2週間以内に結果が出るプレミアムプロセスというのに変更してもらったのですが、2週間過ぎてもいっこうに連絡がないのでこちらから問い合わせの電話をしました。そしたらなんと、弁護士はすっかり忘れていて何もしてませんでした。弁護士もこれはマズイと思ったらしく、「今からするんで10日後には結果出るよ」なんて言うのですが、もう僕としてはこの時点で弁護士に対する信頼度がゼロどころかマイナスなのでその場でキャンセルしました。5年過ごしてアメリカ人の無能は理解してるつもりではいたのですが、ここまでとは予想外です。

そんなわけでビザ無しで明日出発するのですが、職場の人達は絶対に税関で止められて強制送還されるから、ビザが取れるまで日本に留まるようにと言ってくれています。ただ僕としてはこれ以上ビザで振り回されたり、出費を重ねるのが正直アホらしいので、もし明日強制送還されたら、ニューヨーク生活は終わりにしようと思っています。


入国管理事務所で止められたら、アタシ達が保証人になるので連絡乞う。連絡を待っています。と返信しておきましたが、リュウはすでに覚悟しているように感じました。ただいま午後2時です。飛行機はJFKに午前10時には到着している筈です。
税関でややこしい手続きになっているとしても遅すぎます・・・




2008/12/14 (Sun)  続々・家なき子 52

NOHO

photo by lorita12345 NOHO

リュウ・2

夕方5時。

リュウはとうとう入国できなかったようです。
彼のアパートの片付けをしなきゃね・・・
今夜はいつもの鍋料理。野菜を洗っていると電話が鳴りました。

リュウです

ハーレムの彼のアパートからでした。
心配していた強制送還にはなりませんでした。

査証(ビザ)の申請中にもかかわらず、弟の結婚式で一時帰国しましたが、もう1つの理由は愛しい彼女に会いたくて会いたくて我慢できなくて帰ったんです。NYの飛行場の入国審査では長々と質疑応答で時間を費やしましたが、結局、特別に1ヶ月だけの滞在許可を得てアメリカに入国できました。次の問題解決は彼の顧問弁護士の仕事になるのですが、リュウは弁護士のだらしなさに立腹しているようです。
そして、1ヶ月後にリュウは5年間のアメリカ生活を終焉しようとしていました。

先ほどリュウがやってきたので、鍋を囲んで皆で今後の事を話し合いました。リュウはいつもの食欲がなく殆ど食べません。既に弁護士へ40万円ほどの大金を支払っているので、金を無駄にすることはないと思うのはアタシ達のような古参であります。リュウは真剣にアタシ達の助言を聞き、週明けに彼の弁護士に相談に行くことを約束してくれました。




2008/12/16 (Tue)  続々・家なき子 53

endless love

somewhere in africa

J & J

ジョンがアフリカから帰ってきました。郵便物を受け取りにやってきたジョンは薬指のプラチナの結婚指輪を照れながら見せてくれました。

商業写真家のジョンはこのビルの1階の商業スペースのオーナーです。借り手に何度も逃げられ訴訟を繰り返していたのですが、1年ほど前から借主が定着し落ち着いた日々を送れるようになりました。熱血漢の彼は被害をこうむるとうやむやに出来ない性格で、2階の住人・マサコが起した水漏れやガス漏れ事件では「俺が被害者だ」と怒り、彼等を法的に訴えています。双方とも高い弁護士料を払い、闘う!という意気込みでしたが、結局マサコが折れたそうです。

ところが、ジョンは意地でもマサコ夫婦をビルから追い出したいので、近日別件で彼等を訴えるそうです。クリスマスにはジョンの弁護士から爆弾書類を彼等に送りつけるとか、簡単にいえば粘着人間であり、マサコ夫婦も粘着。粘着者同士がエンドレスの闘いを続けることになるでしょう。

さて、ジョンの嫁・ジンは韓国人です。長い間2人は同棲していましたが、彼女が妊娠したのでアフリカで結婚しました。子供の名前はすでに決まっていて”JEMMA”。
ジンは某有名化粧品会社のADです。ある日、アタシが重い荷物を両手に下げて帰ってきていると、ジンが走ってきて無言で荷物を取り上げ黙って運んでくれたことがあります。あの日以来、口数の少ない彼女の人柄を大好きになりました。ジンは夫を支えてこれからも強く生きていくでしょう。

ジョン&ジン。結婚おめでとう。




2008/12/17 (Wed)  続々・家なき子 54

snowing

photo by lolita12345

天空から

ボタン雪が舞いおりてきました。

写真はアタシのPC机の窓からの眺めです。

ブリック壁のビルはオフブロードウェイ劇場に出演するアーティスト達の練習場で、
米国内だけではなく、世界中からの老若男女の俳優の卵達が練習をする場です。

彼等は下手なコーラスに合わせてドンドンと太鼓や笛の騒音を出して、こちらサイドを直撃するのですが、上の階に住む精神科医のエミリンがキチガイになりそう!と文句を言い、アタシにも苦情の電話を入れて欲しいと懇願します。言われなくても何度も電話してるがな。それより石を投げるほうが早いよ。投げつけてやると、ピタッと止まりますがな。しかし、ピーヒャラピーヒャラが再び始まるので、同じことなのですが・・・

いつだったか、窓の下で朝から晩まで続く工事の騒音に耐えられなくて、ガラッと窓を開け、「ごらっ!おまいらーー!いつまでやっとんじゃ!ベ〜らぺ〜ら」。物凄い形相でまくし立てるアタシに驚いたエメリンと船木さんが飛んできて、「落ち着けー!」
彼らの本音は「もっといっちゃれ!」だったと思いますが?あん?

さて、昨日は300枚のDMの添え書きを手書きしました。最初に比べると最後になるとボールペンにも慣れサラサラと好き勝手な挨拶文が書けました。全部書き上げると達成感で気分爽快。描きかけのキャンバスよ。お待たせ。少し加筆して就寝ました。


うむ、気になって眠れない・・・
寝る前は描かないようにしているので・・・

仕方ないので、冬ソナをみながら、船木さんのように焼酎のお湯割りを作りました。
明日は8時に郵便局にいかなくてはいけないのに、逆にカッカッして眠れません。

朝10時30分。起床。
いつの間にか爆睡していました。




2008/12/18 (Thu)  続々・家なき子 55

pepsi

photo by lorita12345 docomo

リュウ 3

ロリさん

本日、ロリさんの助言のとおり、弁護士に花を送りました。
色々とご心配おかけして本当に申し訳ありません。
画廊のMさんにも連絡しました。今回の個展用に3枚キャンバスを張り地塗りを済ませました。完成したら日本に発送する前にぜひ船木さんに見ていただこうと思っています。そのときはよろしくお願いします。

リュウ



大阪の画廊のM氏から電話がありました。リュウのビザの件を心配しています。
M氏とは長くお付き合いをさせていただいていますが、不況に突入しているにもかかわらず、彼の前向きな人生観というか、彼の澄んだ話しを聞いていると心強く感じます。彼は恐らく大阪の画廊さんの中では一番世の中の流れをご存知の人ではないかと感じています。すぐにM氏からの電話の内容をリュウにメールしておきました。

上記はリュウからの返信です。

声が大きくて、上背があり、上から目線で話す人かと疑うことがありましたが、慣れると意外とマジメの上に何かがつくような面があり、素直で計算の無い好青年のリュウです。こんなに素朴で優しい人間を誰が見捨てることができましょう。





2008/12/20 (Sat)  続々・家なき子 56

email me




イラ・・・イラレde

電話待ちの間、contact by email を作りました。

台所で昨日の「おでんの大根」を食べていると、突然ヒーターから爆発音と火花が。
いやな予感はしていたのですが、とうとうヒーターが壊れました・・・

外はボタン雪がミゾレと冷たい雨に変わり道路も人も滅茶苦茶グチャグチャです。
ヒーター修理屋に「凍死するのですぐに来て!」電話しましたが、この悪天候のため朝から休んでいるそうです。別の修理屋に電話すると、明日来てくれるそうですが、
もしかしたら凍死するかもしれません。読んでくれている皆さんへ。長い間お世話になりました。さようなら・・・

居間兼台所兼寝室兼アトリエは真冬です。冬景色満載の冬ソナを観ながら零下15度の撮影現場はこんなもんじゃないんだぞ。と励ましています。布団で簀巻きにしてTVを観ている哀れなアタスの姿を想像してください。まだ午後6時です。夜はまだまだ長いのです。PCの前でセーター3枚と毛布をロングスカートのように巻き、毛糸の手袋をしてタイピングしています。




2008/12/21 (Sun)  続々・家なき子 57

shooting a model

photo by lorita12345
something


午前9時。約束通り、時間通りに暖房の修理屋が来てくれました。

昨夜は寒さと、修理屋が来てくれるのだろうか気になりましたが、グッスリ眠りました。
アタシの寝室は家のスペースの真ん中にあるため、ドアを閉めれば窓の隙間からの冷たい風が吹きこむこともなく暖かいのです。

少し前の日記に居間の一部の写真を紹介しましたが、東側の5個の大窓を高額を払って作り換えました。それでも五月蝿いので、船木さんがキャンバスの一番大きいサイズの木枠を使って窓を作りガラスを切っていれました。約1000ドルの材料費で作れました。アタシは木枠に白ペンキを塗り、後はヘラヘラChatしていました。外気を入れる際はブラインドを加えると結構面倒になり、今は開かずの窓になっています。

ちなみにアタシの小さい寝室の2つのドアは道に捨ててあったものを改造して作ったものです。一方西側の窓も同じく5個で、これも100年前のオリジナルです。高額のアルミ製の新品に換えるのは諦めました。よって、西側からの隙間風と埃は永遠に吹き込むでしょう。

ところで、壊れた暖房ですが、今は快適に動いています。原因は埃が貯まり、
埃達が、「ワシャ、もう我慢の限界!かーっ!ぺっ!”」 と破裂したそうです。
新品に換えるのがベストなのですが、お金がありません。




2008/12/22 (Mon)  続々・家なき子 58

ginger cake

photo by lorita12345
Ginger Cake

スーパーからの帰り道。歩道の雪は除雪されていますが、とにかく寒い。
除雪の塩を蒔いた雪のない歩道であっけなく大回転。背後から赤ちゃんを抱いた夫婦に「歩道が凍ってる!通らないで!」と尻餅をついた姿勢で大声で叫びました。
2人は「オーマイガッ!」と叫び、助けるどころか別の歩道を行ってしまいました。

一方、前方からやってきたイケメンが、スーースーーーと滑るように走り寄り、笑顔で手を差し伸べてくれました。そして、怪我がないことを確認しながら、「残雪の上を歩いてね」、と言いながら去っていきました。このNYでアタシはこれまで何人に助けられた事でしょう。岡山の駅前で転んだ時、激痛で歩くことができなく、階段でうずくまっていても通行人達は見てみぬふりをして通り過ぎていきました。この前から家のヒーターが壊れ、ライティングの電球が同時に2個も切れるし、そして本日は無様な格好で転んでしまいました。なんだかね・・・。

帰宅すると、1階のJOHNがやってきて、「HAPPY HOLIDAY!!」といって大きな包みをくれました。JOHNとJINは、明日から両親のいるフロリダでクリスマスを祝うそうです。去年はショッキングピンク色の砂糖でできたマフィンで、色の割りには結構美味でした。今年はジンジャーブレッドの大きな「お菓子の家」とロウソクです。

物凄く幸せな気分です。



2008/12/23 (Tue)  続々・家なき子 59

AKI 12/21/08

photo by lorita12345
new yorker AKI

アキの渡米生活は2ヶ月目を迎えました。午前中は英会話の勉強、午後からは制作場所(スタジオ)に通っています。1年間の短い滞在期間を有意義に使い、確実に制作の段階にはいりました。小柄な彼女が大きいキャンバスを一人で電車で運び、スタジオで下塗りをしているようです。これから寸暇を惜しんで、NYのアートフェア用作品の制作に没頭するのでしょう。

アキの友達が日本から訪れたので、皆で中華街に飲茶(DIM SAM)を食べに行きました。2人とも楽しそうに食べ、写真を撮る姿が愛らしいです。4人で26ドルでした。
GAPのバーゲンで買ったというフード付のコートが良く似合い、彼女はいつの間にかNYスタイルを自分のものにしています。几帳面にノートを取る姿と必ずメールをくれるアキを見習わなくてはと感じています。下記はアキからのメールを一部抜粋します。

こんばんは。
今日はごちそうさまでした。
それにしても飲茶楽しかった...
ああやって机の間をウロウロ運んでくるんですね。

あの後、のみの市に行きました。
友達は予想通りとっても楽しんでくれましたよ。
二人で買うから安くして!というディスカウントができてお得でした。

その後、チェルシーマーケットにいき、最後に21st9aveのフレンチ系のレストランで締めて、明日に備えて9時には帰宅しました。このレストランは先月、こちらに住んでいる日本人作家さんに連れて行ってもらったのですが、おいしくて安いです。お店もかわいらしいので女の子が来たときは良さそうです。

猫はブルックリンにて。

最近、キャベツの変わりに紫キャベツを買ってみました。
あれ、すごいですね...一緒に調理すると全て紫色になります。
卵は青くなってしまい、何をつくっても衝撃的な仕上がりになります。
もう買いません。

アキ




2008/12/24 (Wed)  続々・家なき子 60

-7
photo by lorita12345

ー7度


台所の窓辺につららが数本。日々、成長しています。
向かいの新しいマンションにはツララなんて出来ません。
100年ものの建物に住んでいる人間にしか分かりません。

向かいの住人達は半袖姿で常夏パラダイスです。
たまに風呂上りの住人が真っ裸で窓辺に立ち、
祖チンを自慢げに晒しています。
こちらはセーター3枚と厚い登山用の靴下を2枚着用。

シャッターチャンスは今だ!
窓を開けよう!えいっ!

窓がガチガチに凍っていて、開きません・・・





2008/12/25 (Thu)  続々・家なき子 61

UNIQLO

by uniqlo

super logo

運送会社のS女史から電話があり、会社のカレンダーとワインをもって年末の挨拶に伺いたいとおっしゃる。悪天候の中をカレンダーで事故ったりしたら申し訳ないのでお断りしました。電話で雑談をしていると、42丁目のなんとか公園のクリスマスツリーが綺麗だからぜったいに見てね!とのことでした。そういえば今年のロックフェラーもメトロポリタン美術館のゴージャスなツリーも見ていません。締め切りが1月6日なので出かける時間が勿体無いからです。

今日は用事で46丁目まででかけましたが、そのままダウンタウンに帰り、いつものパンを買い、ユニクロ(SOHO店)に立ち寄りました。政治部屋の皆がユニクロの下着が安くて暖かいと言っていたのが気になっていました。隣接するバナナリパブリックやJクルーの店に比べるとユニクロの店内は客でごった返しています。目的の下着より、半額SALEのセーターやダウンコートなどが目に付きました。今年は買い物をすることもなく暮れるのだろうと思っていましたが、半額のタグを見つけると、つい・・・

船木さん用のダウンのコート(黒)、フランネルのチェック柄のシャツ、9ドルに値下げしてあるジャージーのような真っ赤と可愛いボーダー縞柄の上着2着を選びました。
カシミアのセーター(男物)はアタシ用です。

半額とはいえ、一番高い買い物でした。(´∀`)ゞえへへ




2008/12/28 (Sun)  続々・家なき子 62

AD

photo by lolita12345

AD

家の前の車の修理屋の入り口に大きな塀が建ちました。プールの割引?か何かの広告のようです。可愛いキャラ物なのでアタシ的には楽しいです。これだけ空白を取ればグラフティー族のカラフルで意味不明な落書きには最適のはずですが、不思議なことに悪戯書きがされていません。当分様子をみることにしました。

叩いて材質を調べました。ベニヤ板にシクルスクリーン刷りのようです。グイグイと押しても倒れません。暴風雨で倒れ、下敷きになった通行人から「治療代払え!!」と訴えられない事を切に希望します。

久しぶりに納得の宣伝が家の前にあるのでルンルン嬉しい気分で郵便局へ出かけました。途中のビルの2階の壁にも同じ広告があったのでオヤ珍しい。「撮影しよう」
SOHOのアディダスの並びのビルの壁にも同じものがあり、いたるところに同じ広告があるではないか!大して珍しいものではないようです。





2008/12/29 (Mon)  続々・家なき子 63

click!

click!

photo by lorita12345
FALLEN


同じ曲を繰り返し聞いているので歌詞なんて自然に頭に入っていると思うのですが、覚えられません。でもこの曲はナガラ族のアタシには邪魔にならなく、テンポも良いので重宝しています。

CDからMP3に変換し、HPにアップしたかったので方法を教えてもらいました。
政治部屋のSmart_mokkunnさんや他の皆さんが手に手をとって教えてくれましたが、理解力に欠けるアタシは残念ながらできませんでした。そこで登場したのが英語の先生でもあるSnappy_is_hereさんです。驚くべき速さで曲を探し、いとも簡単に容量の少ないMP3を作ってくれました。本当にありがとうございました。

IT'S MY DAY!!


曲名はFALLEN。歌手の名前はLauren Wood。プリティウーマンの映画の中で主人公達がチャーター便でオペラを聞きに行く場面で流れる曲です。彼女のアルバムを専門店で探しましたが、売っていなかったのでメールを書きました。「アマゾンで買ってくださいね」と返事がありました。親切ですよね。でも、見つけられませんでした。

皆さんのおかげで、長年の夢であったFallenのMP3がゲットできました。
異国で元旦を迎える”あああ”も聞いてくれているかもしれません。
皆様も師走のこの時間をお楽しみください。





2008/12/30 (Tue)  続々・家なき子 64

Dean Deluca

photo by lolita12345


いよいよ年の瀬です。

明日は運送会社のS女史が同僚と年末の挨拶に来るそうです。実家の美味しいお茶を持参するとか。アタシは餅入り善哉を用意しましょう。カメラを持参するとメールに書いてありましたが、何のためなのか分かりませんが、d(>∀< )OK!と返信をしておきました。お茶の後は印刷屋へ注文していたサインの受取にでかけます。原画はアタシがイラレで作ったものなので仕上がりが心配です。

東京の雑誌社勤務の男友達から電話がありました。先ほどNYに到着したそうです。今回は新しい彼女を連れているとか。そして元旦は当方でお雑煮を食べるそうです。正直なところ最近気忙しくておせち料理やお雑煮を完璧に忘れていました。

郵便局で発送を済ませて、何となくDeanDeluca(食料店)にフラッと立ち寄り、店の中を散策していると、買い物客のピンク色の紙袋が可愛かったので慌ててレンズをむけました。心の動揺がみえる写真ですが、面白い画像ではありません?

あ、そうそう。お節料理でしたね。
食材は・・と、dig dig





2008/12/31 (Wed)  続々・家なき子 65

got it!!

photo by lolita12345

リュウ 3

運送会社の女性2人がカレンダーをもってきてくれたので、ウドンを作っていると、
あのリュウから電話がありました。作品の発送の質問でした。

ところで、ロリさん。
査証(滞在許可)ですが・・・


本日、Approveされました!!

w(゜∇゜〃)wうわお!おめでとっー!リュウ!

景気低迷の暗い新年になりそうでしたが、リュウの吉報は嬉しいです。光が見えてきました。先日渡米したリュウは飛行場で滞在期間を切られてしまい、滞在許可の最終日である1月15日までにアメリカから出国しなくてはなりません。本日の移民局からのApproval(許可)はアメリカ政府が両手を広げている状態です。しかし、まだ抱擁はしてくれていません。次は日本にあるアメリカ大使館で面接を受けた後、いよいよ緊張の最終結果がでます。面接では、スーツ着用をし身奇麗にして赴くよう熱く助言しました。あとはリュウの面接を受ける姿勢次第です。

元旦は、リュウ、留学生のアキ、東京から来ている新カップルを迎えて、皆でお雑煮でお祝いをします。皆さんも健やかな新年をお迎えください。

2008年もお世話になりました。
来年もロリ板をよろしくお願い申し上げます。





2009/1/1 (Thu)  続々・家なき子 66

happy new year

photo by lolita12345

あけお目!

日本は年が明けたようですね。こちらは31日の大晦日です。
日本の皆様!あけましておめでとうございます!

元旦の料理はいつものアタシ風のやり方で和洋折衷のシンプルなものを作るつもりです。素材としては肉料理は今回はやめて、かといって新鮮な魚はエビ程度くらいなものしか入手できません。渡米した頃は3段重ねの重箱にお節料理を詰めていましたが、美味しいと思わないので完璧に辞めていました。久しぶりに正月風の料理を作りましょう。冬ソナを聞きながら下ごしらえが出来たので、事始め気分で自画像を描いてみました。(´0ノ`*)オーホッホ!! リアルをご存知のかたは初笑いですね。

それより素晴らしい写真があったので変えました。銀行の近くの公園でリスの大群にでくわしました。一匹のヒョウキンなリスの見事なM字開脚をご覧ください。

結果ではなく、過程を楽しむ。最高に幸せなことだと感じています。
今年もよろしくお願い申し上げます。





2009/1/2 (Fri)  続々・家なき子 67

happy new year

photo by lolita12345

元旦

冬ソナの3話を聞きながらお節料理を作りました。字幕がなくても内容が分かるほど見ています。チンタラチンタラと恋人達が離れたりくっついたり、複雑な物語の成行なんてちっとも面白くもないのに見飽きません。高校生を演じる30代のヨン様の肉体がすっかり出来上がっているように、撮影では30代の俳優達が若作りに工夫をしたそうです。決して演技力があるとは思えないボソボソと話すヨン様の人気の理由が何だったのか、正直なところ分かりません。

ファッションについては、別に・・・と思うのですが、強いて言えば色感覚がオサレで、そして特に風景などの映像が美しい。ドラマチックな自然の雪を効果的に使っている監督の成功だと思います。またトロリとチーズが溶けたような屁のような軽さのBGMも魅力だと思います。長姉が絶賛していた冬ソナをやっと見ることが出来ました。

あのドラマをみていると、私の初恋を思い出すわ。
俳優達のスカーフの巻き方がお洒落よ。NYでもみられる?




happy new year


ありきたりの食材で取り合えずお節が完成しました。舌の感覚がキントンや黒豆などの24色のカラフル色に染まっていましたが、メインのお雑煮も何とかできました。






2009/1/4 (Sun)  続々・家なき子 68

January 3rd

photo by lolita12345

January 3rd

お節の意味がわかったような気がします。お雑煮に飽きれば、醤油味のお節料理をおかずに白飯と汁物でOKです。昔の人の知恵は大したものです。

元旦はお客様を接待しながら電話で軽く仕事をし、2日はコネチカットへ出張。3日目はお節の黒豆、カマボコ、数の子で食事をし、キントンが余っていたので、つまみながらエクセルで仕事をしています。新年といってもいつもと変わるわけではなく、毎月のルーチン業はやってきます。ところで、キントンですが、サツマイモを茹でてマッシュし、栗を加え、一口大に丸めて揚げました。パン粉の代わりに素麺を細かく手折ってイガ栗を模しています。食べる時は歯茎にグサッと刺さるかもしれません。^^;

さて、エクセルの帳簿を見ているといつものように不安になったので、気分転換にパンを買いにでかけました。通りですれ違った老女が妙にスタイリッシュだったので後ろから撮影しました。昔のモデルさんかもしれませんね。老いても美しく、どことなくオーラのある垢抜けしたセンスはかつての専門職が身についているからでしょうか。

いつだったか、裏の通りのビルの階段で汚いジーンズとTシャツ姿のカップルが日向ぼっこをしていました。女性は男性よりどうみても2回りは年上。どこかで会ったことがあるような?往年のモデルであり、女優のローレン・ハットンでした。この辺りに住んでるのね・・・へぇ。見知らぬネイバーに挨拶をすると、彼女のトレードマークでもある前歯のすいた茶目っ気のある笑顔がアタシに挨拶を返し、ソッと口元に指を立て、

誰にもいわないでね。エヘ

なるほど。。。^^




2009/1/6 (Tue)  続々・家なき子 69

Emergency room at Beth Israel Hospital

photo by lolita12345

仕事初め

日本時間の5日はどこも仕事初めらしく受信メールは殆どが新年の挨拶です。
こちらは4日の日曜日だったので、月曜日は気合をいれて仕事をするつもりでした。

ところが、午前6時。爆睡していると、遠くで唸る声が聞こえます。持病持ちの船木さんが浴室でゲロゲロしていました。激しい腹痛のようです。医者の殆どがユダヤ人といっても過言ではない救急病院・BethIsraelにタクシーで駆けつけました。以前、慢性胃潰瘍で同病院に救急車で運び込まれたことがあり、医者の1人が、「すぐに手術」と言うのが聞こえたような気がしたので、側で七転八倒をしている船木さんに伝えると、

えー!手術!?

痛みが消えた。家に帰る。


今回はあの時の痛みとは違うようです。医者からの診断によると、直ぐに手術をしなければ悪化するとのこと。「これから手術をすると言ってるよ」「そっか・・・」

手術後、リカバリールームに入ると、全身麻酔の船木さんがポカーンと口をあけて寝ていました。黙って顔を見ていると、パチッと目を開けて、「家に帰りたい・・・」
世話をしてくれている黒人のナースが、「この点滴が終われば帰っていいですよー」
タクシーで夜10時過ぎに帰宅しました。梅干で重湯を2杯おかわりをした船木さんはグッスリと眠っています。とても長い一日でした。





2009/1/7 (Wed)  続々・家なき子 70

Emergency room at Beth Israel Hospital

photo by lolita12345

まな板の鯉

以下は病院でのお話です。

2回目のモルヒネを注入してもらった船木さんが気持ちよさげに眠っています。

午後2時頃に執刀とのことだったので、家に帰って仕事を片付けることにしました。
運送会社の2時の集荷を待ちました。冬ソナのように、「看病する者は食べなきゃ!」と叱られたチジウがオカユを泣きながら食べる場面を思い出しました。昨夜の残り物のおでんを温めている間に、トイレの中に激痛で散乱したタオルや病院から持ち帰った汗で湿ったパジャマやパンツを洗濯しました。

「落ち着け・・・」と自分を叱責しながらパソコンで仕事用の文面をタイピングしていると、ワナワナと心が揺れ、独り言を言っている自分がいました。命にかかわる重病ではないけれど、何が起こるか分かりません。バックパックに新しいユニクロの下着とユニクロのジャージー上下を入れ、お気に入りの靴をいれ、その上に目覚まし時計を突っ込みました。

アメリカの病院では、下着から靴下まで全部脱がされ、病院のネグリジェ風なものに着替えさせられます。エプロンのような寝巻きは、後ろから見ると尻も背中も全部が露になっているスタイルです。持ち込みパジャマは利用できません。これはアタシ自身が入院し手術を受けたことがあったので経験済みでした。

集荷が終わったので、慌ててタクシーで16丁目の病院にかけつけると、緊急治療室の通路にまで患者が溢れ、簡易ベッドに寝かされ順番を待っていました。早朝入った船木さんはカーテンでしきられたベッドを確保できていました。殆どの患者が黒人で、レティーノの他に、アジア系患者が3人いました。白人患者は全くいなく、まるで有色人種の避難民の集団に思えました。入れ替わり立ち代り国際色豊かな若いインターン達がやってきて、最後に執刀医のフリードマン外科医が挨拶にきてくれました。
彼は頭髪の上にユダヤ人特有の帽子をつけています。

お待たせして申し訳ない。
手術は5時を予定しています。約1時間で終わります。
貴女はリカバリールームでお待ちください。

では。




かっこええ・・・COOL




2009/1/8 (Thu)  続々・家なき子 71

at Beth Israel Hospital

photo by lolita12345

全快公開


軽い気分で書いた日記を読んだリアルの知人達からメールや電話が届いています。YOKOさま、留学生のアキちゃん、アキのママ、大阪の画廊のM氏、モトコ、リュウの皆様達からです。ロリ板をリアルでご存知の方は多くはないのですが、皆様たちからお見舞い状を頂き恐縮しています。ロリ板に謝罪文を書こうとしているとリュウから電話がありました。皆さんに心配をかけた事を説明すると、

あたりまえやないですか〜、
あんな風に書けば誰でもビックリしますよ〜


ほれ、みろー! 船木さんが「嗚呼・・・」と情けない顔をしています。

こんなに反響があるとは想像していませんでした。深く反省しています。

船木さんが、“俺のことは書かないでNY事情に徹したほうが良い”と言うので、日々の出来事を書いたつもりだったんです。匿名にすれば良いじゃないかー、なんて言われてもね、それではリアル感がありませんでしょ。それにもう手遅れであります。
謝罪文を出して、病名を表明するというと、「恥ずかしいので、それは許して欲しい」
と、切願するので病名は伏せます。今更ながらワガママな次男坊男です。




2009/1/9 (Fri)  続々・家なき子 72

Wabisuke 2009

photo by tatamiya-wabisuke

wabisuke 2009


上の階に住むエメリンの父が危篤になり、留守中の郵便物の回収を頼むと言って転げるようにJFK飛行場に向かいました。アタシは帰国を1週間早めたので、来週からは彼女の友人のロイに鍵をバトンタッチです。エミリンを見送っていると、最上階のベラがスーツケースを持ってエレベーターから降りてきました。フロリダの母の体調が悪くなったのよ。これから飛ばなきゃ。と泣き顔でラガウディア飛行場に。誰もが親の心配をしなくてはならない年齢になりました。

アタシの両親は既に他界していますが、父が急逝してからは残された母の世話と看病で何年も帰国を繰り返しました。フランス時代から、いえ、それ以前から持っていたと思われる持病持ちのアタシは突然やってくる原因不明の腹痛と嘔吐に悩まされていました。が、それでも帰国しなくてはなりません。成田の飛行場でぶっ倒れても、他人に激痛で脂汗を流す醜い姿を見られても平気でした。柔なことを言っていられません。それこそ“必死"の形相でした。母の安らかな寝顔をみながら側で音を殺して嘔吐したものです。痩せて小さくなった母を狐狸庵の実家で静養させる際も、看病する側としてはかなり辛いものがありました。お陰様で現在は完治しています。長い間アタシを苦しめていた持病は簡単に解決しました。そのうちに日記に認めるつもりです。

岡山の隣人・畳屋さんから新年の挨拶メールが届きました。船木さんがイテテと言いながらメールをチェックしていると、「オーー!すげー!」と大声をあげました。見事な白い花の写真でした。”貴方達が去年2月に植えたワビスケの苗木に花が咲きました。帰国した時に散っているかもしれんので撮影しました”と書いてあります。亡父の面影にどことなく似ている畳屋さんにはアーティチョークの種をお土産にします。